日本酒の”爽やかさ”は何で決まる?
5月も中旬になると、日中は少し汗ばむような陽気になってきます。そんなとき自然と飲みたくなるのが、すっきりとした爽やかな日本酒です。
ところでこの「爽やかさ」、なんとなく感じているけど正体はよくわからない、という方も多いと思います。実は爽やかさはひとつの要素で決まるものではなく、いくつかのバランスで生まれています。今回はその話をしてみます。

爽やかさの正体は4つの要素のバランス
①酸
爽やかさに一番大きく関わるのが「酸」です。酸がしっかりあると後味が引き締まり、重たさを感じにくくなります。飲んだあとにすっとキレる感じ、あれは酸の働きによるところが大きいです。
逆に酸が少ないお酒は旨味やコクが前に出やすく、どっしりした印象になりやすいです。爽やかさを求めるなら、酸のしっかりしたタイプを選ぶのがひとつの基準になります。
②香り
柑橘のような印象や、青りんごのような軽やかな香りがあると、味わい全体が明るく軽やかに感じられます。ただし香りが強すぎると「爽やか」というより「華やか」な方向に寄っていくので、バランスが大事です。
爽やかさを感じさせる香りは、主張しすぎないくらいがちょうどいいです。
③アルコール感
アルコールの感じ方も、爽やかさの印象を左右します。刺激が強いと重たく感じやすく、なめらかだと軽やかに感じやすい。アルコール度数が同じでも、飲んだときのアルコール感が穏やかなお酒の方が爽やかに感じられることが多いです。
④ガス感
搾りたての日本酒や一部のタイプにはわずかな炭酸(ガス)が残っています。このガス感があると口当たりが軽くなり、清涼感が増します。夏に向かうこの時期に「活性にごり」や「生酒」が飲みたくなるのは、このガス感や軽やかさが理由のひとつです。
冷やすと、爽やかさはさらに引き立つ
これらの要素は温度によっても印象が変わります。少し冷やすとキレが出て全体が引き締まるので、酸もガス感もより感じやすくなります。前回の記事でも書きましたが、冷やしすぎると香りが閉じてしまうので、10℃前後がバランスよく爽やかさを感じられる温度帯だと思っています。
よくある質問
Q. 爽やかな日本酒を選ぶポイントは? 酸がしっかりしていて、アルコール感が穏やかなものを選ぶのが基本です。ラベルに「すっきり」「キレがある」といった表記があるものや、生酒・搾りたてといったタイプも爽やかさを感じやすいです。
Q. 夏に向いている日本酒の種類は? 生酒や活性にごり、冷やおろし前の春〜夏限定酒など、この時期ならではのラインナップが各蔵から出ています。軽やかで爽やかなタイプが多いので、季節ものを選ぶのもおすすめです。
Q. 日本酒の酸とはどういうもの? 日本酒に含まれる有機酸(乳酸・コハク酸など)のことで、味の引き締まりやキレに影響します。ワインでいう「酸味」に近いイメージですが、日本酒の場合はそこまで前に出ず、全体のバランスを整える役割を担っていることが多いです。
日本酒の爽やかさは、なんとなく感じているものではなく、酸・香り・アルコール感・ガス感がしっかり設計されて生まれています。これからの季節、日本酒を選ぶときにこの「爽やかさの正体」を少し意識してみると、いつもとは違った楽しみ方が見えてくるかもしれません🍶
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