今がいちばん忙しい時期。日本酒造りの真冬の話
日本酒造りは、冬が本番
日本酒は一年中売られていますが、
実際の酒造りは、冬がいちばん忙しい時期です。
寒さが厳しくなり、
空気が乾き、
水温が下がる。
この環境がそろうと、
日本酒造りは一気に動き出します。
年が明けた1月後半から2月にかけては、
多くの蔵で仕込みがピークを迎える時期。
外は静かでも、蔵の中は慌ただしく時間が流れています。
なぜ真冬がいちばん忙しいのか
日本酒は、微生物と一緒につくるお酒です。
麹菌、酵母、乳酸菌。
どれも温度にとても敏感。
真冬は、
・発酵のスピードをコントロールしやすい
・雑菌が繁殖しにくい
・味が安定しやすい
という理由から、
昔から「酒造りは寒い時期」と決まっていました。
今は設備が進化していますが、
それでも冬の環境がもたらすメリットは大きく、
この時期は自然と仕込みが集中します。
蔵の時間は、外と少しズレている
真冬の蔵は、
世の中のカレンダーとは少し違う時間で動いています。
朝が早く、
夜も長い。
タンクの様子を見ながら、
次の作業の段取りを考え、
一日が終わったと思ったら、もう次の仕込み。
祝日も週末も、
発酵は待ってくれません。
外では「寒いね」と言いながら家に帰る時間でも、
蔵の中では、
酒が静かに、でも確実に変化しています。
この時期の酒が、少し違って感じる理由
真冬につくられている酒は、
派手さよりも、安定感や落ち着きを大事にしたものが多くなります。
発酵がゆっくり進む分、
味がまとまり、
角が立ちにくい。
この時期に飲む日本酒が
「なんだか落ち着く」
「体にすっと入る」
と感じることがあるのは、
こうした背景も関係しています。
寒い日に飲みたくなる酒の正体
忙しい時期の酒造りと、
寒い日に飲みたくなる酒。
実はこの二つは、
同じ方向を向いています。
・強すぎない香り
・温度を上げても崩れない味
・飲み進めても疲れない
真冬の蔵で生まれる酒は、
自然とこうした性格になりやすい。
派手ではないけれど、
長い夜に寄り添う酒。
寒い日に、静かに美味しい酒。
まとめ|酒が育つ季節に、酒を飲む
今は、日本酒造りがいちばん忙しい時期。
寒さの中で、
酒はゆっくりと育っています。
そんな背景を知ると、
手元の一杯が、少し違って見えるかもしれません。
外は寒い。
でも、蔵の中では静かに春に向かって酒が進んでいる。
真冬に飲む日本酒は、
その“時間”ごと味わうものなのかもしれません。