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精米歩合の本当の意味|高精白=美味しい、は本当?

精米歩合は“わかりやすい指標”だけど万能ではない

日本酒のラベルで、まず目に入る数字のひとつが 精米歩合
「50%」「60%」「70%」といった表記を見て、

  • 数字が小さいほど高級
  • たくさん削っているほど美味しい

──そんなイメージを持っている方も多いかもしれません。

確かに、精米歩合は日本酒の性格を知るための重要な指標です。
ただし、それだけで味の良し悪しが決まるわけではありません。
精米歩合は“答え”ではなく、ヒントのひとつなのです。


精米歩合とは?数字の意味を正しく理解する

精米歩合とは、玄米をどれくらい削ったかを割合で表したものです。

  • 精米歩合 70% → 外側を30%削った
  • 精米歩合 50% → 外側を50%削った

お米の外側には、タンパク質・脂質・ミネラルが多く含まれています。
これらは日本酒にすると、
・雑味
・重さ
・香りの荒さ
につながることがあります。

そのため、外側を削ることで、
よりクリアで雑味の少ない酒質を目指す、という考え方が生まれました。


なぜ“高精白”はきれいな味になりやすいのか

精米を進めると、米の中心部に近づきます。
中心部には、デンプンが多く、タンパク質が比較的少ないため、
発酵が穏やかに進み、香りがきれいに出やすくなります。

その結果、

  • フルーティな香り
  • 軽やかで透明感のある味
  • 雑味の少ない後味

といった特徴を持つ日本酒になりやすいのです。

吟醸酒・大吟醸酒が「香り高く、きれい」と言われる理由は、
この高精白にあります。


削れば削るほど良い、わけではない

ここが一番大切なポイントです。

👉 精米歩合が低い=必ず美味しい、ではありません。

なぜなら、削ることで失われるものもあるからです。

  • 米の持つ旨味や厚み
  • 食事と合わせた時の存在感
  • 温度変化への耐性

精米歩合が低い酒は、
単体で飲むと美しい反面、
料理と合わせると物足りなく感じることもあります。

一方、精米歩合70%前後の酒は、
米の旨味がしっかり残り、
燗にしたり、食中酒として楽しむと力を発揮することが多い。

つまり、
どこまで削るかは「狙う味」の問題 なのです。


精米歩合と酒のタイプの関係

精米歩合と、一般的な酒質傾向を整理してみましょう。

精米歩合酒質の傾向
80〜70%米の旨味が豊か、コクがある
65〜60%バランス型、食中酒向き
59〜50%香りがきれい、軽快
49%以下非常に繊細、香り重視

どれが優れているかではなく、
どんな場面で飲みたいか が選ぶ基準になります。


数字に頼りすぎない酒選びのすすめ

精米歩合は、たしかに分かりやすい数字です。
ですが、それだけを見て選んでしまうと、
自分の好みを狭めてしまうこともあります。

  • 香りが好きか
  • 料理と合わせたいか
  • 冷やして飲みたいか、燗にしたいか

こうした視点と一緒に精米歩合を見ると、
数字が“意味のある情報”に変わってきます。


精米歩合は「設計思想」を読む数字

精米歩合は、日本酒の価値を決める序列ではありません。
それは 造り手がどんな酒を目指したかを示す設計図の一部 です。

  • 高精白 → 香りと透明感
  • 低精白 → 旨味と存在感

どちらが正解ということはなく、
飲む人の好みやシーンによって、評価は変わります。

数字に振り回されるのではなく、
数字を手がかりに味を想像する。
それが、日本酒を長く楽しむコツです。